2014/11/04(火)
また今年も雨と冷気が運ばれて、庭の木々が色づき始めました。まずはウルシの葉が紅く染まり、その後にカエデやツタも次第に紅味を増していきます。丁度今くらいの時期は、庭の東部分の池廻りの葉が良い感じのグラデーションとなって、陽の具合に応じて表情を変えていく様に趣があります。
この庭の景色というものは、随所にめぐらされた水に映してこそ完成をみるものですから、見るべき対象と自分の間に水を挟みつつ眺めるのが良いと考えます。丁度関雪の画室内からは大きな池の周囲に育ったカエデの枝が張り出していて、陽のキツくない日には上手い具合に水面に色が溶け出して揺れる様子を楽しむことが出来る事でしょう。人間の眼はどんな些細な変化も見逃さない高性能な機能を持っているし、また自然の発する揺らぎと色彩は心身のストレスを溶かし去ってくれる効果があるので、ゆっくりと・・暫しゆっくりと光と水に溶けゆく色の行く先を追いかけてみれば、写真で得ることの出来ない景色がハッキリと心に残ることではないかと思います。
盛りまではもう少し。今年は新美術館から観る錦に染まった東山の景色も初めての体験となりますので、今から心待ちにしています。