玄猿白鶴 昭和16(1941)年 足立美術館蔵
橋本関雪聖戦画記念展出品作の画稿。左隻に紅梅と鶴が、右隻に樹上に群れる黒手長猿が描かれた色彩の対比が鮮やかな作品。鶴の構図は一度で決まった感じであるが、猿の周辺には配置を何度か工夫した痕跡が見て取れる。
本ブログにて、橋本関雪記念館に収蔵されている作品を画稿やコレクションなどを定期的にご紹介致します。まずは申年に因んで「玄猿白鶴」の画稿をご紹介。橋本関雪記念館には関雪の遺した画稿が大小合わせて約2000点ほどあり、その大半はまだ未公開状態となっております。毎年幾つかの画稿をパネル化して展示公開を行なっていますが、その数があまりに多いため随分と時間がかかってしまいそうです。この「玄猿白鶴」も未だパネル化されておらず、巻の状態で保管されています。